想いをカタチにする懸け橋。GINZA SIX内装監理室

カテゴリ:安心・快適な空間の提供

 
――パルコスペースシステムズの内装監理では、パルコで培った技術力や対応力を活かして、多くの商業施設を支えています。
今回は、それらの商業施設の中でも、『GINZA SIX』を支えるパルコスペースシステムズの内装監理担当スタッフに、取組みや強みを、日々の業務のお話を交えて伺いました。

【GINZA SIX内装監理室】

2017年4月にオープンしたGINZA SIXは、ラグジュアリーブランドをはじめとする約220のテナント様(※2023年11月13日時点)が並ぶ商業施設空間、大規模なオフィス、文化・交流施設「観世能楽堂」などから構成される、地上13階、地下6階の銀座エリア最大となる複合施設です。パルコスペースシステムズでは、2020年4月より、GINZA SIXの商業施設空間の内装監理業務を常駐にて担当しております。現在内装監理室の事務所には、内装監理担当の他に、弊社よりデザイン監修担当と工事担当が業務に当たっています。

野村直志NAOSHI NOMURA
内装監理担当

東條KEN TOJO
内装監理担当

三浦馨子KYOKO MIURA
内装監理担当

4年目の常駐型内装監理室

『GINZA SIX内装監理室』として体制ができて今年で4年目ですが、開始当初はどのような業務をしていたのでしょうか。

野村
GINZA SIXでは、2021年に開業以来初となる大規模リニューアルが計画されていました。このリニューアルにあたり、2020年4月から常駐型の内装監理の依頼を頂き、施設の資料整理から、図面調整・指導業務、竣工までの施工現場の安全監理・調整・指導を担いました。その後も引き続き常駐型にて内装監理の業務を受託させて頂き、今年で4年目になります。

GINZA SIXでは、年間何区画ほどのリニューアルの内装監理業務を担当しているのでしょうか。
 また、GINZA SIXならではの特徴はありますでしょうか。

 

野村
2021年度の大規模リニューアルの際は、大型飲食業態を含む45区画を想定していましたが、最終的には店舗数が増えたかと思います。
東條
GINZA SIXのリニューアルは、様々な場面でテナント様との調整業務が多いのが特徴の一つです。このため、GINZA SIXの関連部署の皆様と協議し、スケジュールを比較的長めに設定することもあり、テナント様によっては1店舗あたり1年を超えることもあります。

あらゆる調整業務には検証結果と事例の蓄積を生かして対応する

どのような調整業務が多いのでしょうか。

野村
外資系のテナント様の中には、本国の図面承認が必要なテナント様がいらっしゃったり、海外支給の建材や、海外製作の什器を使用するケースでは、輸送ルートの状況等により商材が到着しなかったり…。様々な事態を考慮して、GINZA SIXの関連部署の皆様とスケジュール調整・設定をしています。
東條
多くのテナント様のリニューアルを重ねていくと、想定していなかった事も発生します。そういった事への対応策を事例として蓄積しながら、ご出店者様と設計者様・施工者様に説明する資料内容などもアップデートしております。これはより良い施設づくりに貢献したいという内装監理担当者の意識の表れだと思います。
三浦
建物の特性による 調整業務も多いですね。GINZA SIXは国土交通省の大臣認定が必要な「避難安全検証法ルートC」を採用しています。この検証法により、内装設計に対し火災発生時に安全に避難するための性能や耐火性能といった建物としての機能が成立するよう、開口面積・室用途・防火区画の位置・壁や扉の性能・内装種別や天井高など諸条件が設けられており、ご出店者様、設計者様には、それらの規制条件を反映した設計をお願いしています。
そのご説明の際に用いる資料は、2021年の大規模リニューアルの際に整理と改訂を行いました。施設特有の条件をご出店者様、設計者様に理解していただき、規制条件を遵守いただくための資料ですので、誰が読んでも理解できるように試行錯誤しました。具体的には、防災設計会社様*より提供される資料を読み解き、開業時よりご出店いただいているテナント様がどのように条件を充たしているのかを、竣工図面や現場から検証し、時間をかけ、丁寧に作成しました。
                                        
*防災設計会社とは・・・消防法や地域の条例といった法律に則った設備設計をする会社
写真/2020年~弊社内装監理室が整理した施工者への説明会に用いる資料の一部。継続的にアップデートされている。

写真/2020年~弊社内装監理室が整理した施工者への説明会に用いる資料の一部。継続的にアップデートされている。

写真/ルートCの説明の資料は別冊。

写真/ルートCの説明の資料は別冊。

GINZA SIXの中を歩いていると、法律上の制限やルールを感じさせないくらいユニークな店舗デザインを多く見かける気がします。
 何か内装監理室での工夫があるのでしょうか。

三浦
お店の顔であるファサード(正面)デザインに対して、 “お客様の心を動かすようなデザインにしたい”、“より良いお店にしたい”という、ご出店者様や設計者様・施工者様の想いに寄り添いながら、どうすれば法律上の条件を充たして実現できるかを、共に検証・調整するのは、私たちの内装監理業務の特徴と言えると思います。様々な事例を蓄積し続けてきたことで、あらゆるユニークな店舗デザインに向けた検証・調整等が可能になってきているのだと思います。

お客様の目指す施設像に貢献する

最後に、皆さんが内装監理業務をする中で、最も大切にしているものは何ですか。

東條
施設側の立場で、“どうしたら施設がより良くなるのか”といった意識で物事を考え、GINZA SIXの関連部署の皆様と同じ志を持って業務に当たるという事を大切にしています。その結果として頼りになる内装監理室でありたいと思います。
三浦
コミュニケーションを大切にしています。施設側、ご出店者様側、施設の工事担当者様とは、役割は違いますが常に互いを助け合える関係でありたいと思います。良好な関係性は一朝一夕で築くことはできません。業務上の必要最低限のコミュニケーションだけではなく、日々の“ひと対ひと”のコミュニケーションを意識して接することは、より良いチーム力を発揮する秘訣だと思います。
野村
”内装監理室が施設とご出店者様の間に立ち、検証・調整・伝達することで、それぞれの目指す『GINZA SIX』像に貢献する。”という意識を根底に持ち、一つ一つの業務に当たっております。そういった意識が資料作成や、あらゆる調整事項への対応にも表れ、今後の仕事にも繋がっていくと考えています。

――『事例の蓄積』はGINZA SIX内装監理室の大きな強み。
内装監理室が施設とご出店者様の間に立ち、想いに寄り添いながら、その『想い』をカタチにする『懸け橋』として、パルコスペースシステムズの内装監理は施設をサポートしています。