【想いをカタチに】SCビジネスフェアから繋がるストーリー
チッタグループ100年の歩みをカタチにした歴史ギャラリー
「CITTA’ HISTORY GALLERY CITTA’ DNA」制作の裏側
1 たった1枚の名刺から繋がったご縁
事の始まりは、2022年のSCビジネスフェア。
株式会社 チッタ エンタテイメント様(以下、チッタ様)とのご縁は、赤のハートが象徴的なPARCOグループのブースに興味を持っていただき、1枚の名刺交換をしたことから始まりました。その後お仕事のやり取りをしていく中で、当社デザイン担当による若い世代ならではの視点や感性を取り入れた企画が、チッタ様の想定とは違った角度からのアプローチとなり、その新鮮な考え方に共感していただけたことから、チッタグループ創業100周年の歴史ギャラリーのプロジェクトをやってみませんか?というお話に繋がりました。
2 「チッタらしい」を基準に
ギャラリーの場所は施設の地下にありました。
地下へと潜っていくギャラリーの特徴を活かし「現代から過去に遡って、創業の精神まで潜り込む」という案でスタートした歴史ギャラリー「 CITTA’ DNA 」のプロジェクト。チッタ様と話して私たちが感じたのは、ただ歴史を解説する空間を作ることではなく、常に新しい事・楽しい事を世の中に提供し続ける、ある意味「尖った」企業の精神そのものを表現したギャラリーにしたいという想いでした。
このコンセプトや想いをカタチにするため、100年の歴史の理解から始まり、コンセプト立案、展示資料の選定、デザイン…という流れでプロジェクトを進めることになります。しかしその歴史の長さは生半可なものではなく、チッタ様が保管されていた100年分の歴史的資料は会議室を埋め尽くすほどに膨大です。これらをただ並べるだけでは、企業の精神を伝えられないのではないかと考えました。
「展示資料の選定には何か一つ筋を通す必要があるのではないか」
そう考えた私たちは、このギャラリーにとって一番大切なものは何かを見つめ直し、「いかにチッタ(「尖った」企業の精神)らしい出来事か」という筋道を立てて資料を選定していく結論に達しました。
3 ギリギリまで粘る
資料選定の方針は決まったものの、限られた時間の中では他にも「空間&グラフィックデザイン」と「ゾーニング」も同時進行で行う必要がありました。
空間デザインは、チッタ様や空間デザイナーのKIMUKIM ATELIERさんと共にイメージの共有を進めていきました。グラフィックデザインは、デザインの素材である資料自体が決まらない中で進めることに苦心しながらも、グラフィックデザイナーさんの奮闘とブレストを重ねることで何とか答えが見えて来ました。
そしてゾーニング。会場の入口から地下に降りて行く階段壁面に「100周年の現代~CINECITTA’がOPENする1987年までの新しい歴史」、階段先の地下空間に「1986年以前~創業までの古い歴史」を展示する予定で、空間&グラフィックデザインもそれに沿って作成を進めていたのですが…
プロジェクトが半ばに差し掛かった頃、チッタ様とのミーティングで「階段壁面は新しい歴史の掲示ゾーンではなく、150角程度の小さな写真を並べたギャラリーへの導入ゾーンにした方がより面白いのではないか?」という別のアイデアが出てきたのです。
このタイミングでの大幅変更は不安もありましたが、それでも、より良い形に、そしてチッタ様の理想とする形に近づけるべく舵切りを決行することとなりました。厳しいスケジュールの中、今まで以上にプロジェクトメンバーと密にコミュニケーションを取り、細かい部分も全員が足並みを揃えながら共有することで、メリハリのあるゾーニングとセンセーショナルな空間が実現できました。
4 コピーに込めた魂。これからの100年へ。
空間づくりと同時に重要になってくるのはそこに入れる言葉です。
より「チッタらしい」事象には印象的なコピーを掲げ、歴史のポイントポイントに大きく配置するようなイメージで言葉を散りばめました。また、その言葉選びにもこだわりを持ちました。
「チッタ魂が伝わる言葉」であることを大切にしながら、コピーライターさん、チッタ様と共に、一つ一つの言葉を細かく検証。英語翻訳に関しても「チッタらしい」ニュアンスを崩さないよう試行錯誤して、最善の言葉を選び出しました。
お客様がギャラリーの最後に見るのは、エントランスの柱裏です。そこにはエンドロールにふさわしい最後の言葉が書かれています。
「チッタの未来はあなたと共に。」
5 カタチになった想い
1枚の名刺から始まったご縁は、チッタ様と私たちパルコスペースシステムズがお互いを知るところから始まり、コミュニケーションを重ね、「チッタらしさ」に共感して作り上げたからこそ、細部まで気を抜かず「チッタらしさ」を貫いたギャラリーとしてカタチになりました。
実はギャラリーのBGMもCLUB CITTA’のステージに出演したアーティストの楽曲を選曲して流しているのですが、このBGMもチッタ様とのミーティング中に生まれたアイデアが採用されたものとなっています。
最初はぼんやりとしたイメージでしかなかったクライアント様の想いを、こうしてコミュニケーションを重ね、共感し合い、クライアント様と一緒に楽しみながらカタチにできることこそ、私たちの強みです。
▼ 会場3D映像
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